夢追翔 2nd Album 拝啓、匣庭の中より
2年ぶりくらいのはてブロです。
思い出したころに何かしらの感想を書くブログと化しているがまあいいでしょう。
12月1日に出た夢追翔さんのアルバムを聴きました!
っていう感想ブログです。
そもそも
そもそもこのブログの履歴で分かる通り、私はもともとジャニオタでVはここ1年くらいの新参にわかリスナー。
もっと詳しく言うと山田涼介さんと葛葉さんのAPEXコラボで初めてVという分野を覗いた。あそこが分岐点。
私の夢追翔さん初見は理系トーク切り抜きとかだと思う。
自分も理系生物系大学院卒なのでわかる〜〜〜って思いながら見てた。ラボの空気感わかりすぎる。
残念ながら年代も専攻も被ってないのでそっちでの邂逅はありません。残念だねえ。
ちなみに去年の今頃、夢追さんの作業配信を修論執筆のお供にしていました。その節はどうもお世話になりました。
夢追さんの曲自体をちゃんと聞いたのはFANTASIAが延期になった時に、公式youtubeで限定公開された「死にたくないから生きている」のライブ映像だと思います。
オタクはみんな現場のパフォーマンスが好き(デカ主語)
煽り良~~~~~~~イントロテンション上がる~~~~~~~っていうバカみたいな感想を得て、夢追さんのチャンネルに飛んでオリ曲聞き始めました。
1曲ずつ
#1 おそろいの地獄だね
FANTASIAのパフォーマンスを見て一気に繰り返し聞くようになった曲。
イントロのギター聞くだけでテンションが上がる。
初見聞いたとき、「それなら今は共に歌え」っていう歌詞のところを「それなら今は共に宴」だと空耳してた。
それはそれとして「歌え」の力強い発声とそこからの盛り上がりが好き。
夢追さんの曲の歌詞ってなんか幸せになりきれないし、なれるとも思ってない感じの視点が多いのかなって思ってるんだけどでも曲調とかリズムは攻撃的というか力強くて、歌詞を見ずに聞き流してるとかっこいい曲だっていう印象になるところが好きです。
これはdisではない。
歌詞見ると高校生とかのころの自分を思い出してぞわぞわするところがちょっとあって、でもなんかそういう思春期から青年期に置き去りにされてる大人になり切れない内心みたいなものが刺さる気がする。
最後、「ほら」のあとちょっと不安定に終わるところも好き。
すっきり終わらせるならもっと別の終わり方とかアウトロを付けることができるのにあえてここで終わり?っていう少しの居心地の悪さが残る。
ある意味ホラー映画の予告で主人公が怯えた顔で振り向いた顔のアップで無音になって終わるよくあるカットに似てる。何かが忍び寄ってきて追いつかれてしまった、そんな感じ。
キーが合うのでたまにインストを聞きながら歌ってる。
長らくカラオケに行けてないけど行ったら歌いたい。
#2 Stop the Internet
誕生日ミニライブで初めて聞いた。
嵐生まれサクラップ育ちの私はこういう明るいポップなラップ調の曲が好き。
消えることなきHater 悪意で切り盛りするメディア 巷蔓延るデマ 匿名に守られ笑うClaimer 負けるものかと下手でも奏でた 怪我しても続けた いつの間にか見上げれば 届くはずのなかった栄冠
○○に似てる、というのが誉め言葉として取られないということは重々承知したうえで言うけど、私が小さいころから聞いて育ってきた櫻井さんのラップとおなじ方向性でめちゃくちゃ刺さった。
反骨精神とその先の明るい展望、というか。なんて言ったらいいのかわからないけどきれいなシナリオのあるラップ詞。
夢追さんの曲の中では珍しく感じるまでの前向きで挑戦的な視点がおもしろい。
ラスサビ前の歌詞とか特に好き。
耐えるだけじゃ人の養分 今が最も近い勝負 白地図に描く余白 道具 残ってれば大丈夫 ガチ恋も What's going on? 明日を見ろ 人を餌にする者へ滅びを 自問自答 理想 依存から いつ目覚めるの?
前半は文末語末のouuで踏んでて後半はioで踏んでる。
韻の踏みが細かくて聞いてて耳が気持ちいい。
そろそろ青い鳥歴が人生の半分になりそうで怖い。
インターネットはクソだけど実家。
#3 天に唾吐く
ここからアルバム曲。
曲調が夢追翔っぽいなって思った。タイトルだけ見ると青空を睨むの兄弟っぽいよね。
あおにら(って略すらしいですね)がgood endの分岐だとしたらこの曲はmerry bad寄りのnormal end分岐って感じ、
どっちもtrueではない。
インストだけならライブのアンコール後の規制退場アナウンスのうしろで流れてそうな明るい淋しさのある曲なのに歌詞見たらちょっと厨二みがあるところが夢追翔っぽい。
夢追翔っぽさ、が何かって言われると定義が難しいけどさっきtunecore見たら「目を背けたくなるような感情の後ろ暗さに寄り添う作風が特徴」って書いてあってなるほど、と思った。そんな感じです。この紹介書いたの誰なんですか。かゆいところに手が届きました。
#4 君の好きな僕
これ聞いたとき、夢追翔の提示する夢追翔の解釈が解釈一致でよかったな、って思いました。
君の好きな僕は 君を好きな僕じゃ ないってことなんか とっくに知ってたはずなのに
こういう歌詞が出てくるところがなんか「わかる」ってなります。
この記事の中で何回私は「夢追翔っぽい」って言うんでしょう。
この曲としてはback numberの幸せとかセクゾの名脇役系の曲かなって思った。
2020夏のサマパラで名脇役ブームがあったように、個々の解釈を乗せた「君の好きな僕」を歌ってほしい。同じ曲同じ歌詞でもきっと人によって「君」への態度が違うはずだから。
夢追さんの場合はかなり控えめで成就を夢にも思っていない「僕」だけど人によってはあきらめきれなくて虎視眈々と機を狙っている「僕」もいるはず。
#5 人間じゃないよな
MVが公開されたときから好きでした。
息を吸ってそのままオルゴールとともに始まるところから鳥肌。
ゴシックで重厚なオケが最高。
ここでいう人形ってなんなんだろうね。
私はメタを含めて考えるのが好きだから勝手に夢追さんの歌詞を見るとき、キャラクターとしての夢追翔と夢追翔の中にいる人のことを考えてしまう。
前世がどう、とかそういうのは興味なくてVってガワって呼ばれることもあるし、そのキャラクターと本人との近似性って人によって違うと思うんだよな。
意図があってキャラクターとして一貫を持ってる人と、限りなく自分としてやってる人と。
これは外野から見た勝手な印象の話をしています。
私はそもそもアイドルが好きだけどアイドルだってファンに見せるための「その人」像があって、こちらから見えているものが全部なわけがないじゃないですか。これなら見せてもいい、期待を裏切らないあるいは受け入れてもらえるって考える「その人」を享受しているわけで、見ているその人がその人の本質だとは思わない。
でも人間だから、本当の自分というか素を見せたい、知ってもらいたいっていう面も同時にあるのかなって思ったりする。
それが、この曲の人形なのかなって考えてた。
夢追翔というキャラクターがあって、バーチャルシンガソングライターとして活動していて、その肩書、ガワをなくしたらどうなるんだろうみたいな興味。知らんけど。
そういうメタいことを考えて深読みするのはオタクの悪い癖。
この曲の英題が「Wanna be human」ってところも面白い。
じゃないよな、って念押しじゃなくて落胆なの?
#6 音楽なんざクソくらえ
鉄琴みたいなイントロ好きだ。
爽快。歌詞もリズムも。
化身でゴーストって読ませるのオシャだよね。
音楽なんざクソくらえ 流行りにブランディング 知恵絞って お前が求めてるのは顔だけ ついでにこの歌も聴いてけ
ここ最高すぎないか。
こういう斜に構えた人間が大好きだよ。
多分気づいたら口ずさんでるのはこういう曲。
#7 どうせ生きるなら
歌詞見ずに聞いてた時一番好きかも、ってなった曲。
そのあと歌詞とタイトル見てあ~~~~~~~~~ってなります。
シンプルな曲構成だけどだからこそすっと耳に入ってくる曲。
アルバムなんだからこういう曲があっていい。
夢追翔のファルセットが存分に堪能できてよい。
「だって僕はそのために生まれてきたからさ」ってところの「だって僕はそのために」の譜割りがめちゃくちゃ好きだな。一見、字余りに聞こえるけどその引っ掛かりが耳に残っていい。私は三連符とかド忘れしたけど二分音符分のところに3つ等分するやつ*1とかの変拍子好き。歌うとき難しいけどそこが癖になる。
あとミュージカルのソロでありそうな台詞っぽい文章が耳馴染みあって好きだ。
#8 共感性終止
一転Jazzyな曲。そんな引き出しあったの!?ってびっくりした。
サビ前後で転調を繰り返すところいいよね。どんどん上がって私じゃたぶんキーでなくなるところまで行く。
最初「共感性羞恥」に空目してついに本人が言い出したわ、って思った。
もじった終止だった。
英題end of sympathyってことは共感性の終わり、ってことなんだろう。
共感性羞恥になぞらえると、共感性に終わるの方かと思ったけどダブルミーニングなのかしら。
駅のホーム 裸足 ぴたり 音漏れた流行りのメロディ 垂れ流した愛 くらり 街のどこも満ちていて 聴きたくなども無い 不快 僕には受け入れ難くて
ここ夢追翔っぽいって思ったポイント。
私の中の夢追翔像どうなってんだ。
こういうjazzyな曲はステッキ持って踊るのがアイドルのセオリーだから夢追さんもライブで歌うことがあればぜひステッキ持って踊ってください。
あわよくば椅子を使った演出をしてください。頼む。
#9 命に価値はないのだから
アルバム最終曲でありアルバムタイトルの元ネタ(?)であるこちら。
これもシンプルだけどアルバムを1曲目から順番に聞いてここにたどり着くと、実家に帰ったような安心感がある。
「命に価値はない」っていう衝撃的なタイトルだけどよくよく見ると価値がないのではなくて貴賤がない、誰もが等しいっていうのを「価値がない」と表現してる暖かい曲。
このアルバムの中で一番フラットなんじゃないかな。
めずらしく全肯定して包み込んでくれる曲。だけど話し手はどこにいるんだろうね。
話し手は聞き手の生きることを肯定してくれてるけど、あなたの生命は肯定しているの?あなたは蚊帳の外に置いてない?
そんな寂しさもある。
あなたのいる匣庭はあなたの殻なの?そこから出てくる気はないの?
匣庭の中は暖かい?幸せ?外はあなたに優しくないの?
あなたはどうしたら幸せになれるの?
あなたの幸せを祈ることは意味のないことなの?
聞き続けてたらそんな疑問がわいてくる。
そちらこそどうか幸せで。
おしまい
めちゃくちゃ満足なアルバムでした。
いろんなジャンルの曲があって、こんな引き出しもあるんだ!っていう驚きもあり、すでに何回も聞いてる知ってる曲もあり、楽しかった。
すでに次の曲が楽しみです。
夢追翔にわかだから全然知らないんだけど、ソロ配信お休みしてたあの時期だけでこれだけ曲作ったの!?すごくない!?
けっこうあっという間に復帰したなという印象でした。
発売日に聞いてその日にバーッて書くつもりだったのに時間と体力がなくてこんなに時間が経ってしまった。
毎回だけど特に構成考えずにつらつら書くから本当に適当なことをほざいている自覚があります。ごめんなさーい。
夢追翔さん、そもそも名前が日々樹渉と同じ系統で好き。
名前が良い。夢を追いかけるんだぞ、最高だろうが。
ゲーム配信はあんまり見てないけど雑談配信と作業配信と曲には本当にお世話になっているのでこれからもお邪魔します。
おしまい!
*1:二拍三連でした